日常の世間話的なことを、極めて個人的偏見で、つれづれなるままに書き連ねたエッセイ的雑記帳。
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■続・チュー太郎・旅情編■
2004/07

  『チュー太郎、空を飛ぶ』の続編である。
チュー太郎を伴って上陸した英国。実はチュー太郎は、このHPにデビュー(登場)する以前に、こっそり(?)と、UKデビューを果たしていたのだ!
私の記憶が確かならば、それはテムズ河畔のサマセット・ハウス内にある『コートールド・ギャラリー』の一室。なにを隠そう、このギャラリーは小規模ながら、マネ・ドガ・ルノワール・モネ・セザンヌ…など錚々たる作家達の作品を収蔵しているロンドン大学附属の美術研究所である。
その中の企画展のための一室「特別展示室」には、ギャラリー訪問者が作品から受けた感動を体現できるように、スケッチスペースが設けられていた。この辺がヨーロッパの美術鑑賞の意識の高さの現れである。普通、「生の」作品(しかも作品との間にロープ等の仕切りが一切ない!)のすぐそばのテーブルに、カラフルな水性マーカーと紙が同居しているなんてある?!シロウトの発表会じゃぁないのよ?日本では考えられない状況だ。おバカな観光客が、作品に「相合傘」を描く危険性もあろうというのに!

 話題はそれるが、ロンドンで一番印象的だったのは、美術館や博物館での鑑賞者のマナーが非常に優れているという点だった。世界に名高い作品でさえ、差程厳重な警備をされている訳でも無く、授業の一環として先生引率のもと、鑑賞に訪れている小学生達もよく場をわきまえていて、誰一人として騒いだり走ったりする者もおらず、つまりは「鑑賞者の態度が良いから、厳重な警備も必要無い」という「好循環」な環境なのである。大英博物館では、かの有名な『ロゼッタ・ストーン』ですら、かつてはむき出しの状態のまま、四方をロープで囲まれただけの無防備な状態で展示されていたという。ちなみに、私が訪れた2000年の時点では、ガラスケースに納められていたが、その代わり周囲のロープは取り除かれていた。それに引き換え、我が国日本はどうか…(ため息) 

「特別展示室」のフリースペース。
「囲み」部分に、チュー太郎が!

 さて、そんな絶好のチャンスを与えられて、私がジッとしているはずがない。
居並ぶ芸術作品の中に、我が愛しの「チュー太郎」の姿を堂々とお披露目してきた。その証拠写真がコレ。(左・写真)
よく見ると、ユニオンジャックの配色がおかしい。現地のイギリス人が見たら、さぞかし違和感を覚えただろう。「日の丸」の赤と白が逆転して、横に星が描かれている…そのくらいの間違いだ。絵を描く人間としては非常に恥ずかしい行為。何事も「うろ覚え」で片付けてるべきではない。と深く反省させられた(ホンマか?)出来事だった。
ともあれ、チュー太郎はミュージシャンも憧れる「UKデビュー」を無事果たし、帰国の途に着いた。チャンスがあれば、またこの地を訪れ、今度こそ全身ユニオンジャック柄(しかも、正しい配色で!)の、チュー太郎の姿を納めに行きたいものである。