日常の世間話的なことを、極めて個人的偏見で、つれづれなるままに書き連ねたエッセイ的雑記帳。
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■文楽DEカリビアン!■
2003/11


 大学時代のサークルの後輩が、「文楽」の世界に飛び込んだ。いまや、頻繁に舞台にあがり活躍中。彼のお陰で劇場に足を運ぶ機会が増えた。かつて、大学生の頃、歌舞伎にハマった。その影響で文楽も鑑賞したことがあったが、歌舞伎と大きく違うのは、「役者」が人間ではなく「人形」であるということ。“その他大勢”みたいなワキ役の人形なら1体を一人で操る場合もあるが、主な登場人物ともなると、人形遣いが3人掛かりで1体の人形を操り、「役者」となる人形に息を吹き込む。文楽に限らず、舞台の芝居で「おもしろい」と思うのは、「無い物を有るようにみせる(もしくは、有るってことにしちゃう)」「有るのに無いことにする」という真逆の『暗黙の了解』で成り立つ場面が多いことである。大掛かりなセットが用意されていなくても、同じ板の上で、場面は室内だったり、かと思えば海辺だったり、平気で時空を超えてしまう醍醐味がある。文楽での「人形遣い」なんて、まさにその代表で、大の男が3人も、わさわさと動いているのに、観客は「見えてるけど見えてないよぉ〜ン」で見ている。実はその『いかに「無いつもり」に近付けるか』の努力を垣間見るのもおもしろく、舞台装置にしても細かいネタバレを目の当たりにしてなお、逆にその工夫や知恵に感心させられたりするワケです。(マギー司郎のマジックみたいに?ちょっと違うか…)
 さて、今回の公演で印象的だったのは、近松門左衛門の『平家女護島(へいけにょごのしま)』という孤島を舞台にしたお話。物語は、「俊寛(しゅんかん)」(右写真→
はじめ3人の流人を中心に進行する。
3人は「打倒、平家!」の謀略が露見して「政治犯」として島流しの憂き目に遭って3年。ようやく都から特赦(とくしゃ)の遣いがやって来て、晴れて都に帰れることに…。だが、流人のひとり、丹波少将(たんばのしょうしょう)が、長い孤島暮しの間に、島の娘と深い仲になっていた!(コノヤロォー…)当然、娘も都に連れて行きたいが、通行手形は3人分しか無い。思い悩んだ末、年長者の俊寛が、とっさに迎えの役人を斬り、「私は現行犯の罪人だ。この島に残らねばならない。キミたちは行きなさい!」と自ら娘の代わりに島に残ることを決意するのだ!
そして、涙のラストシーンは、断腸の思いで皆が乗った船を見送る俊寛。自分が言い出した事といえ、複雑な胸中。思わず船を求めて泣き叫ばざるを得なかった。無情にも遠ざかる船。号泣する俊寛!その俊寛に“パーン”するかのように舞台装置が45度旋回する大胆な演出。なんというスペクタクル!!
「孤島」「海」「取り残され…」「空しく船を見送る…」これらのキーワードから、思わず連想させるもの…。
そう!かのディズニー映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』!!
私的には、絶対文楽で上演出来ると思うんだけどなぁ〜。。。絶対!
だめですかね?ブラッカイマー師匠?


映画と文楽、ぜひ両方見ていただきたい。相乗効果で
倍楽しめます!


俊寛とジャック・スパロウ船長って、意外と共通点多い!?